対象となるFX取引と所得の区分
国税庁は、一定の市場デリバティブ取引、または第一種金融商品取引業者・登録金融機関を相手方とする一定の店頭デリバティブ取引のFX差金等決済を、申告分離課税の対象として説明しています。
この条件に当てはまらない取引は扱いが異なります。『FX』という商品名だけで区分せず、契約先・取引内容・個人か法人か・居住状況を確認してください。
2026年分:一般に示される税率は20.315%
対象所得の基本税率は所得税15%・地方税5%です。2026年分の復興特別所得税は基準所得税額の2.1%で、15%×2.1%=0.315%を加えると、一般に示される合計は20.315%となります。
掛ける相手は売買代金や入金額ではなく、必要経費、対象区分内の損益通算や繰越控除等を反映した課税所得です。単純な説明用に課税対象額10万円、控除等の追加調整なしと仮定すると、100,000円×20.315%=20,315円です。個別の納付額を確定する計算ではありません。
2027年分以降:特別所得税の内訳が変わる
国税庁の2026年版は、2027年分以降について、復興特別所得税を基準所得税額の1.1%、新設の防衛特別所得税を同1%として、所得税と合わせて申告・納付することを説明しています。復興特別所得税の課税期間も2047年まで延長されています。
一般的な対象所得については、15%+5%+15%×1.1%+15%×1%=20.315%と、合計率は変わらず内訳が変わります。所得に直接1.1%と1%を追加する計算ではありません。申告する年分に合った手引き・様式を使い、FXの税金がすべて自動的に源泉徴収されるとは考えないでください。
| 内訳 | 2026年分 | 2027年分以降 |
|---|---|---|
| 所得税 | 15% | 15% |
| 地方税 | 5% | 5% |
| 復興特別所得税 | 15%×2.1%=0.315% | 15%×1.1%=0.165% |
| 防衛特別所得税 | なし | 15%×1%=0.15% |
| 合計 | 20.315% | 20.315% |
損益通算は同じ対象区分の中で確認
対象のFX損益は、同じ『先物取引に係る雑所得等』に該当する取引の所得と通算できる場合があります。給与、一般の株式譲渡益など別区分の所得と自由に相殺できるものではありません。
複数会社の報告書をまとめる場合も、FX・CFD・オプションという名称だけで同じ区分へ入れず、取引の適用条件を確認します。受取スワップだけで年間利益を決めず、決済損益・費用・報告書の集計範囲も照合してください。
損失の3年繰越には連続した申告が必要
対象損失のうち控除しきれない金額は、一定の要件を満たすと翌年以後3年間の対象所得から控除できます。損失が出た年の申告に付表・計算明細書を添付し、その後も連続して付表を添付した確定申告を行う手続きが必要です。
繰越控除を受ける年にも必要な付表・明細書を添付します。『利益がなかったから何も出さなくてよい』と決めず、残額・発生年と提出書類を確認してください。
複数年分の繰越損失がある場合、国税庁は最も古い年に生じた損失から順に控除すると説明しています。3年間の期限と年ごとの残額を管理し、別区分の損失と混ぜないようにします。
申告前に年分・書類・自分の条件をそろえる
- 各社の年間損益報告書・取引履歴と対象年
- 費用の記録、領収書と取引との関連
- 過去の繰越損失、付表と申告書の控え
- 給与・他の所得、年末調整と申告理由
- 該当年分の国税庁の手引き・様式
給与所得者の申告要否にも条件があります。少額のFX利益だけで一律に不要とは決めず、国税庁の給与所得者の確定申告案内と自分の事情を照合してください。還付を受ける場合や損失繰越の手続きも別に確認します。